五月五日、五周年。
一冊、一室。森岡書店は
一室から一冊の本を発行いたします。
幻の写真家・伊藤昊の写真集
『GINZA TOKYO 1964』
2019年の夏、ある方を通じて写真家、伊藤昊(1943~2015)の写真に出合いました。
名前も知らなかった写真家の写真に森岡自身が胸を打たれ、写真集発行に向けての歩みを進めてまいりました。
1964年の銀座とそこを闊歩する人々を撮っていた伊藤昊。1964年は、経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言してから8年。写真の向こうの銀座には、戦後の苦難を乗り越えた人々の喜びと、街の繁栄が映し出されていました。一方、同時代には、社会の矛盾や敗戦の記憶を写した写真家たちがいました。伊藤昊の場合も、あえて写真の中にゴミ箱やたばこの吸い殻などを取り込むことにより、繁栄の裏側を暗示していたように思います。また、銀座の街で働く市井の人を見つめ、繁栄を支える人々の存在を忘れませんでした。
伊藤昊の写真からは、歴史が作った社会の矛盾を感じながらも、街や人々の明るさの方に目を向け、少年のような希望を持って世の中を見ようとする意識が感じられます。
今、世界は先の見通せない混乱の中にあります。
ですが、そんな今だからこそ、希望を見ていた伊藤昊の視線が、人間の可能性の方に目を向ける力になるのではないか、また、沈んだ銀座が一日も早く復活してほしいと願いを込めて、出版を決行いたします。
森岡書店では、作り手と読み手とともに本の豊かさを、書店の空間で共有することを目標としてきましたが、この状況を鑑み、本書は通信販売にて展開してまいります。
世界と日本、伊藤昊が歩いた銀座が、少しでも明るくなることを祈りながら、また、状況が許すころ、書店での出版記念展の開催も考えてまいります。
『GINZA TOKYO 1964』
発売日:2020年5月11日 著:伊藤昊
企画・編集・解説:森岡督行 発行・販売:森岡書店
印刷・製本:株式会社山田写真製版所
ページ数:144ページ 仕様:B5判(横)、上製 本体価格:¥5500(税別)
伊藤 昊(いとう こう)
1943年大阪府生まれ。生後まもなく、両親と共に父親の実家のある宮城県涌谷町に疎開。6年生のときに、京都太秦の小学校に単身で転校。1955年に東京の明治学院中学校に入学。1961年に東京綜合写真専門学校に入学。1963年に卒業後、同校の教務部に就職。この頃に写真展を2度開催する。1968年に同校を退職し、フリーのカメラマンとなる。1978年に益子に移住し、塚本製陶所の研修生となる。1981年に築窯し陶芸家として独立。その後は晩年まで陶芸家として活動する。
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