神保町の古本屋の仕事の一つに「落丁調べ」があります。「落丁調べ」とは、仕入れた本に破損がないか、書き込みがないか、塵をブラシで払いながらページをめくっていく作業。古書販売の基本であると同時に、若手にとっては本の題名や著者を覚える学びの時間でもあります。古本屋で働きはじめたころの私も、毎日ブラシを手に取り、自分の前に現れる古書と向き合っていました。古書を扱わなくなった現在は、「落丁調べ」...